2012年6月15日金曜日

演出ノート3(筒井):演出助手・岩田さんの太い肝について


6月14日(木)天気:はれ
担当:筒井加寿子


みなさんこんにちは。
3回目の演出ノートになります。

先日、はじめて通し稽古をやりました。
とはいってもごく粗いもので、ひとまず通してみた、というだけのもの。
限られた時間のなかで短くシーンを区切って稽古していると
全体像をどうしても見失いがちですので、
完成にはほど遠くても通してみたことによる発見はとても多くありました。
やろうよ、ととりわけプッシュしてくれた演出助手の岩田さんには大感謝。

私としましては演出助手というポジションを設けるのは
今回がはじめてなんですけども、
岩田さんの手助けはすでに現場でとても大きなものになっています。
いままでは作品づくりで悩みが出て来たら
家に帰ってうーうーひとりで唸ることが多かったんですけども、
稽古中や終わったあとに岩田さんと会話していると
ひとりで考えているよりもずっと話や発想がひろがるのです。
俳優ひとりひとりにたいしても私が知らないうちに
細やかなところを何かとアドバイスしてくれているようです。
彼女は普段私の主宰するルドルフに出演してくれていて
これまでに何度も共演しているので、
私の得意分野(?)も、逆にとても弱いところも
いろいろわかってくれているのも非常に頼もしく思っています。

そしてなんといっても岩田さんの働きにおいてもっとも大きいのは、
クールキャッツ高杉くんにたいするとてつもない遠慮のなさです。
キャッツくんはもともと無口なほうらしいのですが、
今回はとりわけ稽古場が見知らぬ年上だらけのなかにあって
けっこう緊張していたのではと思います。
しかし、岩田さんは稽古ではじめて会った時に
「私ちっちゃい人好きなんです」という
ともすれば無礼なんじゃないかと思われる言葉をサラリと放ち、
数回目の稽古ではストレッチ中に露わになったキャッツくんのおなかを
「わあ〜」と嬉しそうにしながら素手でぺちぺちと触り、
はじめての飲み会においては「おい、キャッツ」と
呼び捨てにしていらっしゃいました。
わたくしめのような小心者にはとてもできない所行です。

きょうは仮の衣裳を着たキャッツくんの姿を撮影しようとしたら
頼んでもいないのに一緒に画面におさまっておられましたし、
キャッツくんの髪型を織田裕二風にして大喜びしておられましたし、
岩田さんのキャッツ好きはとどまるところを知りません。
出会って間もない年下男子の心に
明るい笑顔でズカズカと土足で踏み込んでいく、
岩田由紀さんはそんな素敵な大人の女性です。

以上、どこが演出ノートなんだと突っ込まれてもしかたのない
第3回演出ノートでした。
さて、いよいよ佳境。これからわたしはさらにねばねばしていきます。

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