2012年6月29日金曜日

演出ノート5(筒井):三十路女子たちの男性観

6月28日(木) 天気:はれときどきくもり
担当:筒井加寿子


京都公演、最後の演出ノートです。

先日更新された駒田大輔さんの稽古場ブログが
全回に引き続きあまりにもひどかったことを
私からひとことお詫び申し上げたいと思います。

とりわけ、駒田さんがルードヴィヒなんとかに
激似のハンサム、などという記述については
ちょっと異論をはさんでおきたいと思います。
駒田さんはたしかにすらりとした長身で顔の造作もそこそこですが
それらは彼の態度や仕草で全て台無しになるからです。

そういえば一週間ほど前、
今回音響を担当してくださっている奥村朋代さんが
「駒田さんは、きもいから大丈夫」という
ちょっとよくわからないことをおっしゃっていました。
そのときはうっかり「はあ、そうですか」と受け流してしまいましたが、
「きもい」という致命的な点を指摘しているにもかかわらず、
いったいなにが大丈夫だとおっしゃるのでしょうか。

振り返れば2008年11月、ルドルフ立ち上げ当初からそうでした。
立ち上げ当時の演目はチェーホフの「結婚申込み」。
駒田大輔さんは今回演出助手をつとめる岩田由紀さんに
結婚を申し込みにくる役どころ。
音響は今回と同じ奥村さんでした。
駒田さんはそこそこ端正な顔立ちをマックスまで歪めつつ
お尻を抑えて絶叫し続けるというひどい演出を
最後までしっかりつとめあげてくださったのですが、
そのときの奥村・岩田の喜びようといったらありませんでした。
普段のちょっとクールな駒田さんには何の興味も示さないふたりが
駒田さんがきもい仕草をしたとたんに黄色い声をあげるのです。
わたしは、駒田さんの残念さよりも
むしろこの三十路女子ふたりの男性観はだいじょうぶなのか、
すこし不安に感じました。

「駒田さんって、男前やのに残念よね」

そう語る岩田さんと奥村さんの顔は少しも残念そうになく
むしろジャニーズタレントを追う妙齢の女性のごとく
顔を紅潮させ、目を輝かせています。
私は、そんな三十路女子に毎日助けられながら
お芝居をつくりつづけているのです。

さて、ただいま私どもは毎日芸術センターに通いながら
最後の公演準備をすすめています。
個人的にはこの時期がいちばんきついですし
俳優・スタッフさんも最後のつめをがんばってくださっています。
私よりもずっとずっとがんばってくださっています。
なので私も最後までがんばります。

2本同時上演、私のくちからこういう風にみえますよ、
とは申せませんが、ぜんぜんまったく違うつくりです。
場面転換でがらりとかわる舞台美術、音、光、味の違うキャスト陣、
脚本が同じでもすべてが違う世界です。
どうぞ、劇場まで足をお運びくださいませ。

皆様のご来場、お待ちしております。


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