2012年7月23日月曜日

7月22日(日)柏木チーム

京都・愛知公演と全日程が終了。
『建築家M』の両チームと分かれて、早や一週間が経ちます。

ご来場くださった皆様。
改めて、ありがとうございました。


この同時上演というかなりハードルの高い企画。
両チームともお互いに色々と刺激を仕合い、
苦楽を分け合うことができたのではないでしょうか・・・


その証拠に、打ち上げの席で、今井さんが筒井チームの母親役・新田さんと
お話されていた姿が印象に残っています。
また、NIWAさん、鈴木さん、藤原さんの
チームを超えたなにかで結びついてしまったトリオが生まれたり、
(「なにか」って、まぁ「酒」なんですけど)
岩田さん筆頭の花の30代レディ達・そして上記のトリオの先輩方は
クールキャッツ高杉さんをたいそう可愛がったり。

その中では、もちろん演劇の話も真剣にしたり、しなかったり・・・



では、柏木チームから今井さんより、
この稽古場ブログの最後の投稿です。



書き続けてくださった演出家のお二人・キャストのみなさま。
どうもありがとうございました。

===============

7月22日(日)天気:くもり  今井美佐穂

京都・愛知公演が無事終りました。
スタッフさん、関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
観に来てくださった皆さん、ありがとうございました。

生まれ育った京都を飛び出し、20年後にこの街でお芝居を創り上演できるとは思ってもいませんでした。
私にとってとても貴重な時間でした。

苦しい事もたくさんありました。
自分の不甲斐なさに嫌気がさし、器の小ささに腹が立ち、容赦ないダメ出しに心が折れ、賀茂川の橋から身を投げたくなる夜もありました。
賀茂川では死ねないんですけどね。(笑)

新たにトライできたこともたくさんありました。
いつの間にかいろいろな荷物を持ってしまった私にとって、今変わりたい、向上していきたいと想う気持ちと、荷物を削ぎ落としていく作業は、苦しくもあり非常に楽しくもありました。

皆さんと取り組ませていただいたおかげで、また新しい世界が広がりました。

今回の企画に参加できて本当に良かったです。
皆さんに感謝申し上げます。

いつかまた京都で演劇をやれることを夢見て…。

2012年7月7日土曜日

7月6日(金)筒井チーム

京都公演が終了し、ほっとしたのもつかの間。
来週には愛知公演が控えております。
両チーム、少しお休み期間もありつつ、今は最終調整に入っています。


今日は筒井チームより、演出助手岩田さんからのブログです。


------------------------------


7月6日(金)雨
担当:岩田由紀


こんにちは、梅雨生まれの湿っぽい女、岩田由紀です。
長所は無理した明るさ、
短所は無理した明るさによって出てくる無理です。
筒井チームの演出助手です。


京都公演が無事に終了いたしました。

梅雨空の中、はたまたカンカンと照りつける日差しの中、
ご来場くださいました皆様、まことにありがとうございました。

また仕込みや転換作業、バラシなど多くの方々にご協力いただき、
この場を借りて御礼申し上げます。


公演本番が始まると毎度のように思いますが、
ご観劇いただく皆様がいらして、改めて再確認することや、
初めてハッとなることは少なくありません。

稽古初期に、皆でくどくどと考え続けてはノートに書き溜められていった様々なものが、
お客さんに感じ取ってもらえていて、わあ、良かった、ありがたい!と思うときもありますし、
逆に、ふと頭をよぎり去っていった、埃ぐらいの大きさの思考の粒が、
それが本番になってまるで巨大岩となって転がってきたりなんかも


しかし、本番中、演劇の話をしていたりしてなかったりしながら
朝まで飲むなんて事が数回ありました。
おっさんたちがえげつなかったです。
午前3時をまわると眠たさとしんどさで記憶がないのですが(お前おるんかい)
みんな熱い人たちです。いやただの飲んだくれか。


そんなこんなで、京都公演をふまえ、間もなく愛知に行ってまいります。

2012年7月5日木曜日

柏木演出ノート6


7月5日(木) 天気:くもり(東京) 担当:柏木俊彦

5/25(金)より京都にて滞在制作をし、久々に、7/3(火)より東京に帰っております。
蒸し暑い日々です。
また、すぐ京都及び愛知に参ります。


2012/6/29(金)~7/2(月)京都芸術センターでの公演終了致しました。
ご来場ありがとうございました。

京都公演を終えて
京都芸術センターは古き良き異国情緒ある建物で、たくさんのアーティストが行き来し、理解深く信頼厚く、素敵な時間を過ごしました。
フリースペースの象徴的ドアを使いたいと思ったのが、舞台美術の始まりでした。
空気や空間、音の響きが特殊であり、俳優たちには、もちろんセリフはあるのですが、セリフから解放された状態になれるよう強く希望しました。
立ち位置なども、その場その場で即興的感覚的に選択してもらいました。
雰囲気や密度など、毎公演違っていたと思います。
俳優たち、スタッフ陣に、たくさんのアイディアを出して頂き、TRYERRORを繰り返し、上演に辿り着けました。
感謝申し上げます。

賛否、好みも引き受け、更に進んでいこうと思います。
WEBやSNSで『建築家M』を検索してみてください。

7/14(土)15(日)の愛知県芸術劇場・小ホールでの公演は、また少し変わっていくと思います。
愛知公演後には、ネタバレ気にせず、もう少し詳細な演出ノートを書ければと思っております。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

2012年6月29日金曜日

演出ノート5(筒井):三十路女子たちの男性観

6月28日(木) 天気:はれときどきくもり
担当:筒井加寿子


京都公演、最後の演出ノートです。

先日更新された駒田大輔さんの稽古場ブログが
全回に引き続きあまりにもひどかったことを
私からひとことお詫び申し上げたいと思います。

とりわけ、駒田さんがルードヴィヒなんとかに
激似のハンサム、などという記述については
ちょっと異論をはさんでおきたいと思います。
駒田さんはたしかにすらりとした長身で顔の造作もそこそこですが
それらは彼の態度や仕草で全て台無しになるからです。

そういえば一週間ほど前、
今回音響を担当してくださっている奥村朋代さんが
「駒田さんは、きもいから大丈夫」という
ちょっとよくわからないことをおっしゃっていました。
そのときはうっかり「はあ、そうですか」と受け流してしまいましたが、
「きもい」という致命的な点を指摘しているにもかかわらず、
いったいなにが大丈夫だとおっしゃるのでしょうか。

振り返れば2008年11月、ルドルフ立ち上げ当初からそうでした。
立ち上げ当時の演目はチェーホフの「結婚申込み」。
駒田大輔さんは今回演出助手をつとめる岩田由紀さんに
結婚を申し込みにくる役どころ。
音響は今回と同じ奥村さんでした。
駒田さんはそこそこ端正な顔立ちをマックスまで歪めつつ
お尻を抑えて絶叫し続けるというひどい演出を
最後までしっかりつとめあげてくださったのですが、
そのときの奥村・岩田の喜びようといったらありませんでした。
普段のちょっとクールな駒田さんには何の興味も示さないふたりが
駒田さんがきもい仕草をしたとたんに黄色い声をあげるのです。
わたしは、駒田さんの残念さよりも
むしろこの三十路女子ふたりの男性観はだいじょうぶなのか、
すこし不安に感じました。

「駒田さんって、男前やのに残念よね」

そう語る岩田さんと奥村さんの顔は少しも残念そうになく
むしろジャニーズタレントを追う妙齢の女性のごとく
顔を紅潮させ、目を輝かせています。
私は、そんな三十路女子に毎日助けられながら
お芝居をつくりつづけているのです。

さて、ただいま私どもは毎日芸術センターに通いながら
最後の公演準備をすすめています。
個人的にはこの時期がいちばんきついですし
俳優・スタッフさんも最後のつめをがんばってくださっています。
私よりもずっとずっとがんばってくださっています。
なので私も最後までがんばります。

2本同時上演、私のくちからこういう風にみえますよ、
とは申せませんが、ぜんぜんまったく違うつくりです。
場面転換でがらりとかわる舞台美術、音、光、味の違うキャスト陣、
脚本が同じでもすべてが違う世界です。
どうぞ、劇場まで足をお運びくださいませ。

皆様のご来場、お待ちしております。


2012年6月26日火曜日

6月25日(月)筒井チーム

小屋入り初日のブログは筒井チームから。
今回は舞台美術が両チームとも全く異なります。
転換が大変だけど、それも見どころの1つかと!


--------------------------------


6月25日(月) 天気:はれ
担当:渡辺綾子

いよいよ小屋入り!
今日は1日仕込みでした。


顔合わせの時と、たまに稽古場が同じになった時にご挨拶するくらいだった柏木さん、今井さん、NIWAさんともようやくお話ができました。
そして今日は1日、私たちチームの美術の製作に物凄く力を貸していただきました。

誠意があって忍耐強い、すてきな方達です。
柏木さんチームの芝居を観るのが楽しみ。


舞台もほとんど組み終わりました。
先週も舞台組んで稽古はしてましたが、やっぱり実際のホールに立ててみると雰囲気が全然違う。
はやく稽古がしたい。


この一月半、ほとんど毎日稽古だったせいか、はたまた感情の振れ幅の大きな役であるせいか、稽古が1日休みになるとなんだかそわそわしてしまいます。
焦ってる、というのとも違うけど、なかなかに私生活に影響してきよる作品です。


お楽しみに。



そうそう。昨日は演出助手、岩田由紀さんのお誕生日でした。
通し稽古や物品の搬出入にドタバタしていたらみんなすっかり忘れていたのです。
特に昨日の駒田さんのブログを読まれた方に伝えたいですが、私たちは決して仲が悪いわけではありません。ほんとに忘れていたのです。
一見、清楚なそこそこイケメンなのに、あの手癖は如何なものかと。


由紀さんごめんなさい。
そして、おめでとうございました。


1日遅れで今日ハンカチをプレゼントしたら、「どこに巻けばいいか」と真剣に悩んでおられました。
スカーフじゃないんですけどね。

柏木演出ノート5


626日(火) 天気:少し晴れ 担当:柏木俊彦

昨日、京都芸術センターに入りました。
正式には、6/23(土)に稽古で入っているのですが。

街の真ん中にありながら、静かな時間が流れる場所です。
こんなところで公演ができるなんて、それだけで特別です。
皆様に感謝です。

そんな思いもありながら、時間は過ぎていきます。

仕込みを頑張りすぎた高杉さんが、小休憩中にゼロ状態になってました。
非常に素敵です。
稽古場や飲み屋で俳優があ~だこ~だ言い始めました。
この景色良いです。
眼の奥が変わって来た。
自立と自覚。

今日を生きて欲しいです。
もちろん私も、今一度気を引き締めて。




2012年6月25日月曜日

6月24日(日)筒井チーム


今日で両チーム稽古が終わりました。
そんな締めくくりの日は駒田さんからの稽古場ブログです。

筒井チームはスペース・イサンに籠ってひたすら稽古を続けていた模様です・・・・。

-----------------------

6月24日(日) 天気:くもり
担当:駒田大輔

~京都と愛知vol. 2~
~京都と愛知vol. 2~
~京都と愛知vol. 2~


本公演のサブタイトルに素敵なポエムを見つけて、思わず立ち止まってしまいました。
古都に暮らす男と味噌に暮らす女。
すれ違いばかりだった二人の恋ですが、そろそろ新しい季節を迎えつつあるようです。

さて、筒井チームは(そして柏木さんチームも)今日でひとまず稽古が終わり、明日から小屋入りということになります。
今日は昼からシーン稽古と通し稽古をしましたが、さすがにみんな疲れがたまってきているのか、出番のとき以外は口数も少なく、床にうずくまって呆けた顔をさらしておりました。

まあ、おしなべてローテンションな、意気の上がらない稽古場なのは今日に限った話ではありませんが。
そもそも「場を盛り上げよう」「ガンガン話していこう」とか考える殊勝な人間が誰もいませんからね。
何やらもう一方のチームでは、毎日のようにC翼と初期あだち充をこきまぜたようなカロリー高めの光景が展開されているようですが、こちらはまるで形だけをとりつくろっている冷えきった家族のように、みんなの心がばらばらです。

筒井さんは役者そっちのけで「もうー」「どうしようー」と天をあおいで髪をかきむしっているだけだし、
新田さんはうふふと微笑みながら頭の中はお花畑だし、
渡辺はウンコ座りで人のダメ出しをにやにや聞いているし、
クールキャッツは受験に失敗した長男のように空気がどんよりと暗いし、
藤原さんはいつ見ても日曜日の寝起きのお父さんのようだし、
僕はルートヴィッヒII世に激似のハンサムだし、
およそまとまりというものがありません。
唯一の救いは演出助手の岩田ですが、彼女は勝手にひとりで舞い上がってひとりで墜落するタイプなので、影響力はほぼゼロに等しい。

しいてこのメンツの強みをあげるとすれば、上がることもないかわりにそう落ちることもないということでしょうか。
もともと精神的に図太い人ばかりのような気もするし、仮に誰かが沈んでいても(演出家のことが多い)基本的にほったらかしなので、その負のバイブレーションが全体に波及しません。
総じて真ん中よりやや下のあたりを大儀そうに飛び続ける、地球にやさしい、低位安定型のチームと言えましょう。

そんなチームで作り上げた『建築家M』。
稽古場の雰囲気をそのまま映したようなゆるクール系の作品になるのか、それとも意外と真逆の、お熱いところが出ちゃったりするのか。
それは皆さん自身の目でぜひ確かめてください。
どうぞお楽しみに!

とか、なけなしの期待をあおって自分にプレッシャーをかけるようなシメにはしたくはないんだが。
本番が近いからな。
多少は営業トークせんとな。
はあ、胃が痛いわ。


2012年6月24日日曜日

6月23日(土)柏木チーム

昨日より、柏木チームは京都芸術センターで稽古が始まりました。
実際の舞台の大きさを体感しながらの稽古。
明日はいよいよ小屋入りです。


今日は柏木チームより、今井さんの稽古場日記です。


---------------------------------


6月23日(土) 天気:晴れ  
担当:今井美佐穂

先日、制作の野壁さんが盛り沢山のお野菜を差し入れてくださいました
和知で獲れたお野菜とのこと。
トマトがとっても甘かった!
太陽の光をたくさん受け、土から栄養をこれでもか!と吸収し、育ったのだろう。
私たちが毎日作品に取り組み、相手に向き合い、自分と闘い、作品に血と肉を実らせていることと勝手にリンク。
ミニトマトからの妄想。
そのぐらい甘かった!

明日は稽古最終日です。
演出の柏木は
「もっと即興的に乗って」
「本当に感じた分量なの?」
「その場で今感じたことに身を任せて」
「昨日と違ってもいいから」
と言う。

毎回立ち位置ややり取りが変わる。
相手がどう出るか、こちらがどう動かされるかわからない。
だんだんそれが面白くなる。
同時に怖くもなる。
本当にそこにいないといろんなことを見失う。
深い森に迷う。
奈落に突き落とされる。

今、ここに…。

公演が終わるまでそれは続く。

楽しくもあり、恐ろしい毎日だ




2012年6月22日金曜日

演出ノート4(筒井):新田さんに何かが舞い降りたの巻

6月21日(木)天気:雨
担当:筒井加寿子


梅雨に入って、毎日雨つづきですね。

いま私たちのチームは、京阪東福寺駅の近くにある
「スペースイサン」で稽古させていただいております。
こちらのオーナー・松浦武男さんには
たいへんお世話になっておりまして、
さまざまなご厚意に毎日涙が出そうになっています。
2008年にわたしが一番はじめに演出した
『結婚申込み』の直前稽古もイサンでやらせていただいて、
そのときもなにかと面倒をみてくださいました。
そんなイサンに先日泥棒が入ったという話を聞いて
いたたまれない気持ちになりました。
泥棒した不届きなやつらには、
即刻イサンに物品を返却してお詫びしてもらいたいです。

稽古のほうは、相変わらず三歩進んで二歩下がる
といった調子でどうにかこうにか進んでいます。
振り返ればここまで数々のアイデアが水の泡になりました。
作品をつくるというのはそういうことの繰り返しですが
今回はとりわけお流れ回数が多かった気がします。
でも、七回転んでも八回起き上がればなんとかなるわけで。
きょうもまた、何回目だかの起き上がりが発生しましたので
まだまだあきらめずに残りの時間を過ごしていきたいです。

きょうの稽古では、新田あけみさんが何を思ったか
舞台上で突如AKB48のダンスを踊りだしていらっしゃいました。
あいにく目撃したのは私と藤原大介さんのふたりだけでしたが、
ここまで素敵なマダムとして稽古場に君臨してきた
淑女・新田さんにいったい何が舞い降りたのか、
確かめることもできないまま
稽古に入らざるを得なかったことはたいへん残念でした。
明日あたり、改めてもういちど踊っていただこうと思っています。

2012年6月20日水曜日

6月19日(火)柏木チーム


さて、この稽古場ブログも役者さんが一巡しました。
いよいよ大詰め。
柏木チームは今週は通し稽古が続きます。

さて、今日の担当は高杉征司さんです。

--------------------------------

619日(火)天気:台風
担当:高杉征司

よりによって台風。
前回、このブログを書いた日は雷雨だった。
次に書くときは応仁の乱でも起こるんだろうか。

しかし待てよ。よくよく考えてみると稽古場では常になんらかの乱が起こっているではないか。
おしゃべり揃いの柏木チームは、発言の覇権を争って日々醜い闘争を続けているし、今日に至っては、NIWAさんのご実家から送っていただいたアスパラガスを一本でも多く食そうと、大の大人達が冷静さを欠いた奪い合いを繰り広げた。
「うわっ、最後の一本食べたのだれっ!?」およそ立派な大人とはかけ離れた残念な声が漏れる。声の主はSzkShgだ! プライマル・スクリーム風表記だ!
通し稽古終わりのダメ出しの時、不用意な柏木さんの発言に対して、美佐穂さんが右サイドを駆け上がる。と、ほぼ時を同じくしてNIWAさんが左サイドを駆け上がる。監督気取りの正悟くんは「サイド、二人とも上がるな〜! 守備のバランスが崩れるだろ! 一人下がれ、ひとり〜!!!」と声を嗄(から)す。サッカーに微塵も興味のない崎田さんも「かっせ、かっせ!」と旗を振る。見た事もない国旗を振り乱す。赤茶けたラインにミミズクかハリセンボンか何かよう分からん生物がバサバサ羽ばたいてるような、いや、ほんま見た事もない国の旗を振り回す。
それを見ている柏木さんときたら、、、本当に嬉しそうだ。

この現場の雰囲気が、毎日巻き起こる「◯◯の乱」が、俳優のトライを可能にする。
そう、エラーを出す事も厭わずに。
それが演出を刺激し、作品の強度を上げていく。
昨日の通し稽古で私は完全に出トチった。
それを見た演出は「ナイス トライ!」と親指を立てた。
いいじゃないか、そういうことで。

2012年6月19日火曜日

柏木演出ノート4


6月19日(火) 天気:大雨 担当:柏木俊彦

TRY and ERRORの毎日。
もしかしたら終わりのない作業を続けているのではないかと不安にも陥る。

皆の身体と頭が疲弊していく。
提案し挑戦し、
俳優演出の境目も消えていく瞬間。
創造的な空間。
本能的な現場。

ただただ幸せな時間。
また新しい明日を迎える準備をする。



今度は楽しいことを書いてみよう。

2012年6月18日月曜日

6月18日(月)筒井チーム

今日は筒井チームより、演出助手の岩田由紀さんからの稽古場ブログです。
いつもは出演者として筒井さんの舞台にも立っていらっしゃる岩田さん。
演出助手として、稽古場での様子を伝えてくださっています!


---------------------


6月18日(月)
担当:岩田由紀


岩田由紀です。
筒井さん主催のルドルフでは過去出演をさせていただいており、
今回は筒井チーム演出助手をしています。

田舎の結婚式や葬式に、誰やねんというじいさんがおったりしますが、
そんな感じのポジションで演出席から絶妙な距離に座っては稽古風景をを眺めています。
そして何かをまとめねばという責任感のもと時々喋りだしますが、大半がまとまりません。

柏木チームと筒井チームのキャスティングは鮮やかに違います。
筒井サイドのプレ稽古を数回経て、たまたま柏木チームの出演俳優さんにお会いした時などは、
キャスティングを知ってはいたものの演じ手の雰囲気のあまりの違いにワクワクしてしまいました。
稽古場もバラバラなので、柏木チームと会うことがほとんどありません。
ホールに入ったのち、また改めてへえ~と思うんでしょうな、私は。

しかし、その実そう簡単なものではありません。
一見一緒なのは戯曲だけだと思ってしまいがちですが、

本企画は、二人の演出家による同作品の連続上演するというものなので、
必然的に共有するものは戯曲だけにとどまりません。
二つのチームで共有するものが多ければ多いほど、それは制約となっていきます。
なので、両演出家は今回の作品づくりにおいては、よりたくさんの取捨選択をしているはず。
平たく言って大変です。

でも制約の向こうにヒントがあることは少なくない。

稽古場は、流れる水の底に沈む砂金の粒を探しているような、そんな光景です。
すくっては捨て、すくっては捨て。
見つけたと喜び、違ったと肩を落とす。

そうやって少しづつ、集めてきました。
見届けていただけると幸いです。お待ちしています。


最後に、筒井チームの皆さん。
わたくしの些細な変態行動を露呈するのは是非やめていただきたい
年下男性の皆さん、大丈夫ですよ。痛いことはしませんから。

2012年6月17日日曜日

6月16日(土)筒井チーム

梅雨の到来!とばかりに土曜は雨が降りましたね。
じめじめとした天候ではありますが、『建築家M』はいよいよ大詰めを迎えようとしています。
公演まであと二週間。
今日は筒井チームより、藤原大介さんの稽古場日記です。


---------------------------


6月16日雨
担当:藤原大介

筒井組に参加する藤原大介です。雨が嫌いです。いや違うな。雨の日に外に出なければならないのが嫌いです。屋内にいるときにはどれだけ降ってもらっても差し支えありません
しかし、どうやら雨はその辺のことを見抜いているようで、私が外に出たとたんに降ってきて、目的地に到着すると止みます。敵がそう来ることは予想済みなのですが、あまりにそのようなことが続くと頭にきます。苛立ちのあまり、人類が滅亡しても良いから、雨がこの世からなくなって欲しいとさえ思うときがあります。なのでこの時期の稽古は、まず精神を落ち着けることから始めなくてはなりません。厄介な仕事からスタートです。

想像力や直観力に乏しい私にとって稽古はいつも退屈なものです。もう少し鋭い感性を持っていれば、自分や共演者の一挙手一投足になにかを感じて有意義な時間を過ごせるのではないかと思うのですが、ままなりません。年とともに感受性は鈍くなっていくと聞きますし、今よりひどくなることを想像すると、先行きが思いやられます。そんな状態でなぜ演劇を続けているのかという思いが、ただ今、頭をよぎりましたが、これについて考え出すと、ろくな結論にいたる訳はなさそうなので、深く考えないことします。
発想力に自信が持てない私の、芝居作りにおける手がかりの一つは脚本に書かれている文字です。良い芝居をつくるために正解といえるものはおそらくなかろうと思いますが、脚本に書かれているのは国語ですから、そこには正解らしきものがありそうに思っています。日々の稽古で私は、書かれているものを文節ごとに考えてみたり、会話の脈絡を探ってみたりすることに終始しています。昨日の稽古でも一昨日の稽古でも同じことをしていたように思います。こう書いてみると、これは退屈なはずです。もっと他にできそうなことが山ほどありそうに思えてきました。

休憩

何が出来るか、10分ほど考えてみましたが、ピンと来るものはありませんでした。稽古場に行って、他の役者たちがどういう仕事をしているのか聞いてみて、参考にしたいと思います。
今日も雨が降っています。

2012年6月16日土曜日

6月16日(土)柏木チーム

NIWAと申します。私は今月の10日より稽古に参加しました。初日から大小様々なトラブルを引き起こしご迷惑をおかけしております。この場をお借りして謝罪致します。このブログの更新も数日前に柏木氏から依頼されていたようなのですがすっかり忘れていました。思いつける限り日記形式にて思い出せる限り稽古の経過を記述します。

6月10日:新幹線にて京都入り。柏木氏より指示されたバス停を間違えて稽古中に迎えにきてくれていた今井氏を20分待たせる。早速稽古。私の役が出演する全シーンをあたる。近くの定食屋で柏木氏と遅い夕食。1か月近くお世話になる部屋で就寝。

6月11日:朝早く起床。自転車を借りて稽古場まで行く。稽古内容は思い出せない。柏木氏、今井氏と蛍を見に行く。定食屋にて遅い夕食。パソコンにケーブルを接続するもTVが見られない。就寝。

6月12日:今日も自転車にて稽古場へ。道に慣れてきた。今日は18時上がりだったので柏木氏から借りたTVにて代表戦観戦と行きたかったが部屋の鍵を忘れ銀閣寺近辺をセリフをブツブツ呟きながら歩く。イメージできていないところ、具体的に掴めていないところが多々ある。柏木氏の帰宅を待ち部屋に入る。就寝。

(ここまで書いて、稽古経過が殆ど記されてない事に気がつく。頑張って思い出す。)

6月13日:自転車にて稽古場へ。始めて通しをする。照明さん、舞台監督さんも参加。私自身は思うようにできず稽古不足、準備不足を思い知る。このチーム全体、役者個々の課題がやや浮き彫りになった。演出家は面白かったと言っていた。初めてチームで飲みに行く。

6月14日:オフ。夜は京都芸術センターにてダンス公演を見る。今井氏に借りた電気炊飯器でご飯を炊き簡単な夕食。就寝。

6月15日:京都駅に近いスペースイサンにて稽古。皮ジャンパーのお店を見つける。

公演も可能なスペース。笑い、戸惑い、停滞し、時に怒り、疑問を提示し、首をかしげ、疲労が滲みながらも稽古は進む。外は雨で自転車を置いてバスで帰宅。京都タワーが癒してくれた。明日も通し予定。
これからビールを飲みます。隣の部屋では柏木氏のいびきが聞こえます。

※インターネット番組「ウィンディーズマニア」で「建築家M」の紹介をしました→
http://www.facebook.com/events/366984826689987/ ウィンディーズマニア

※「ミクニヤナイハラプロジェクト」さんにfacebookで「建築家M」HPをシェアして頂きました→
http://www.facebook.com/events/366984826689987/#!/mikuniyanaiharaproject


2012年6月15日金曜日

演出ノート3(筒井):演出助手・岩田さんの太い肝について


6月14日(木)天気:はれ
担当:筒井加寿子


みなさんこんにちは。
3回目の演出ノートになります。

先日、はじめて通し稽古をやりました。
とはいってもごく粗いもので、ひとまず通してみた、というだけのもの。
限られた時間のなかで短くシーンを区切って稽古していると
全体像をどうしても見失いがちですので、
完成にはほど遠くても通してみたことによる発見はとても多くありました。
やろうよ、ととりわけプッシュしてくれた演出助手の岩田さんには大感謝。

私としましては演出助手というポジションを設けるのは
今回がはじめてなんですけども、
岩田さんの手助けはすでに現場でとても大きなものになっています。
いままでは作品づくりで悩みが出て来たら
家に帰ってうーうーひとりで唸ることが多かったんですけども、
稽古中や終わったあとに岩田さんと会話していると
ひとりで考えているよりもずっと話や発想がひろがるのです。
俳優ひとりひとりにたいしても私が知らないうちに
細やかなところを何かとアドバイスしてくれているようです。
彼女は普段私の主宰するルドルフに出演してくれていて
これまでに何度も共演しているので、
私の得意分野(?)も、逆にとても弱いところも
いろいろわかってくれているのも非常に頼もしく思っています。

そしてなんといっても岩田さんの働きにおいてもっとも大きいのは、
クールキャッツ高杉くんにたいするとてつもない遠慮のなさです。
キャッツくんはもともと無口なほうらしいのですが、
今回はとりわけ稽古場が見知らぬ年上だらけのなかにあって
けっこう緊張していたのではと思います。
しかし、岩田さんは稽古ではじめて会った時に
「私ちっちゃい人好きなんです」という
ともすれば無礼なんじゃないかと思われる言葉をサラリと放ち、
数回目の稽古ではストレッチ中に露わになったキャッツくんのおなかを
「わあ〜」と嬉しそうにしながら素手でぺちぺちと触り、
はじめての飲み会においては「おい、キャッツ」と
呼び捨てにしていらっしゃいました。
わたくしめのような小心者にはとてもできない所行です。

きょうは仮の衣裳を着たキャッツくんの姿を撮影しようとしたら
頼んでもいないのに一緒に画面におさまっておられましたし、
キャッツくんの髪型を織田裕二風にして大喜びしておられましたし、
岩田さんのキャッツ好きはとどまるところを知りません。
出会って間もない年下男子の心に
明るい笑顔でズカズカと土足で踏み込んでいく、
岩田由紀さんはそんな素敵な大人の女性です。

以上、どこが演出ノートなんだと突っ込まれてもしかたのない
第3回演出ノートでした。
さて、いよいよ佳境。これからわたしはさらにねばねばしていきます。

2012年6月12日火曜日

柏木演出ノート3

6月11日(月) 天気:はれ 担当柏木俊彦

人は宇宙です。
と、第0楽章のグランドボノボさんは言います。
いつもこの言葉に悩み、勇気づけられます。
掴めない、すりぬけていく。
当たり前で、だから、もがき続ける。

私は、明日になると新しい自分がいて、昨日の自分を顧みず、違うことを言います。
でも、「今」というのが大事で。

現場は
緊張と緩和の連続です。
真摯と不遜が入り交じる。
そこにいるために。
自由になりたいから。


高杉さんは、慎重に言葉を選んで、助言をくれます。
今井さんは、私の頭の中を丁寧に、みんなに伝えてくれます。
鈴木さんは、問題を投げかけてくれます。
崎田さんは、振り絞って言葉を伝えてくれます。
NIWAさんは、言葉にした時点で消えていくんです、と言います。


みんなと私
世界がどう立ち上がるのか?
まだまだ未知です。
身体と空間と時間を感じたい。
今、感じています。

少し肩に力が入っているかな?
今、感じています。

6月10日(日)筒井チーム

筒井チームから、クールキャッツ高杉さんの稽古場ブログです。

--------------------
6月10日(日)天気:晴れ
担当:クールキャッツ高杉

お疲れ様です! 『建築家M』筒井組に出演させて頂く、クールキャッツ高杉です。
イッパイアンテナという京都の劇団に所属しております。宜しくお願いします。

さて筒井組。 本番まであと一ヶ月を切りまして、稽古の方も大分盛り上がって来ております。
同じシーンを繰り返し稽古し、演出の筒井さんから細かい指示が入ります。
またそのシーンで感じたことをその都度俳優と演出で話し合っていきます。
筒井さんが演出をつけるのが『点』だとすれば、それを『線』にするのが俳優のやるべきこと。
割と基礎的な事も指示されます。 
『声を大きく』 『姿勢を正して』 『相手の科白を良く聞いて』 『その状況を感じて』 等々。
中には目から鱗のアドバイスもあります。
『長い科白を言う時のコツは、最初から長い科白を言うつもりで言わないこと』 とか・・・・。
日々修行と勉強の日々です。 なんか『魔女の宅急便』のキキみたいな毎日です。
まさに、『落ち込むこともあるけれど、私は元気です』的な日々を送っています。
キキは14歳で魔女の修行に旅立ちます。
僕は今27歳にして、俳優修行の真っ最中です! いやあ。 楽しいですね!俳優って!

共演者の方々も、とても魅力的な方ばかりです。
今回の筒井組の皆さんを『魔女の宅急便』のキャラクターで例えると、 
筒井さん(演出) ⇒オソノさん。
岩田さん(演出助手) ⇒ウルスラ。
駒田さん(俳優) ⇒キキの父さん。
新田さん(俳優) ⇒ニシンのパイを届けるご婦人。
渡辺(俳優) ⇒キキ。
藤原さん(俳優) ⇒ジジ。
てな感じです。

 勿論、『魔女〜』に負けない、魅力溢れる役が揃いぶみの『建築家M』。
観に来て頂いて損はないと思います。 
キャスト5人による濃密な芝居。 是非堪能して頂けると嬉しいです。
僕も頑張ります!

2012年6月10日日曜日

6月9日(土)筒井チーム


今日は連続になりますが、筒井チームから新田あけみさんの稽古場ブログも届きました。
新田さんも柏木チームの崎田ゆかりさんと同じく、
ワークショップオーディションにて選出されました。
人生の大先輩、ですがとてもかわいい方です。

-----------------

6月9日(土)くもり
担当:新田あけみ

本日の稽古場ブログ担当の筒井組の出演者、新田あけみと申します。宜しくお願いします。

今日は舞台監督の清水忠文さんが来て下さいました。

稽古も中盤に入り、細かく地味な作業をしています。
これによって作品をどれだけ深める事が出来るか・・・緊張が続きます。
又、「疑問が出てきたら、徹底的に・・・」といつも筒井さんが言っておられるが、
今日は、何故ここではけるのかという疑問を解決するために、
1時間くらい止まってしまいましたが、結局答えは出ませんでした。
本番では、観ていただいて納得のいく答えが出ていると思います。

さてここで、出演者の皆さんに対する私の印象を独断と偏見で書いてみたいと思います。

駒田大輔さん。
今回唯一共演させていただいたことがあり、それはもう数年前なのですが、
第一印象でル-ドヴィッヒ2世の生まれ変わりでは?と思ったくらい
美しい容姿は少しも変わってられませんでした。
稽古場では静かに佇んでいるという雰囲気なのですが、一旦板の上に立つと
激しく、強く、熱くなり、その変身ぶりに、お会いして以来ずっと、秘かに・・・であり続けてます。ここに書いた以上、秘かにではなくなりましたが。
また静かに、相手に言いにくいこともズバッと言われます。正直な方です。
 
渡辺綾子ちゃん。
「ちゃん」いう表現がぴったりの可愛い人です。空気がいっぱい詰まったはちきれそうなボ-ルのように、みんなの間をポンポン飛び回ってます。私に「若いって素晴らしい!」と感じさせてしまう憎い存在でもあります。けれど小さいことによく気がつき、後ろ姿を見ていると抱きしめたくなります。

ク-ルキャッツ高杉さん。
初めての読み合わせの時、声を聞いたとたん、顔を覗き込んだくらい魅力的な声をされてます。声フェチの私はメロメロです。好きなテレビ番組の「世界の車窓から」のナレ-タ-をぜひぜひやって欲しいです。
まだ若いのにとても落ち着いた感じのする方で、稽古場でもいつも無口で静かに座ってられます。話し合いになったときもあまり発言もされませんが、突然、話し出すとそれが、とても面白くて・・・

藤原大介さん。
今まで客席からは何度も拝見していたのですが、素顔の彼に接するのは初めて。
驚きました。外見は駒田さんと正反対で、とても野性的で男っぽくてニヒルで、駒田さんと二人で小劇場の女性ファンを2分しているのではと思わせるくらい魅力的な方です。
稽古場でも斜めに構えてられるのですが、みんなの兄貴分的な存在で、
みんな彼を信頼しています。
そして出番になると毎回おもしろい演技をされて、私なんか笑いをこらえるのに必死です。
どうぞ、本番は、共演者を笑わさないで下さいね。

こんなふうに、魅力的な出演者に囲まれて、私はエッチラ、オッチラ電車に揺られて、
箕面市から楽しい稽古場に通ってます。

6月9日(土)柏木チーム



今日の稽古場ブログ、柏木チームは鈴木正悟さんの担当です。
出演者から見た柏木さん、愛されています。

---------------------------

6月9日(土)くもり
担当:鈴木正悟


こんにちは。
柏木組に出演する鈴木正悟です。
突然ですが柏木組の稽古場にはあるルールがあります。

「長くなると感じたら手を挙げる」

これは主に演出の柏木さんに対して適用されるルールです。
先日、崎田さんが、、、

「柏木さんは本当にじっくり時間をかけてつくっていきます。
ひとつひとつのセリフ、動きに必ず「なぜ?」がついてきます。
役者が(特に私が)わかっていない風でいると、
自分のエピソードを例にしてとっても詳しく説明してくれます。
本当に丁寧に、少し恥ずかしそうに。」


とブログに書いていました。
僕も柏木さんの創作の仕方は本当に丁寧で感心しています。
ただ、「自分のエピソードを例にしてとっても詳 しく説明してくれ」るため柏木さん自身が白熱してしまい稽古をしている時間よりも柏木さんのプライベートの話を聞いている時間が長くなったりする事象が生まれます。
しかも、「少 し恥ずかしそうに」お話になるのです。

誰 も咎められない空気を演出しながらお話になるのです。
柏木さん自身も自覚しておられ「長いと思ったら言ってね(^_-)-☆」とおっしゃるのですがなかなか言い出せないのが実情でした。
そこで採用されたのが「手を挙げる」ルールです。

「あ、はじまるな」と思ったら挙手→柏木自重

というたいへんシンプルなルールでこれは効果てきめん、、、、と思いきや、柏木さんは挙手された数だけ新しい話を返してくるのです。
全く悪びれず、そして恥ずかしそうに。

もうこうなったら柏木さんのネタが尽きるまで付き合うしかないようです。

建築家M、どうぞお見逃しのないよう。

マイクスタンドにスリッパを付け恥ずかしそうにする柏木さん 






2012年6月8日金曜日

演出ノート2(筒井)


6月7日(木) 天気:はれ
担当:筒井加寿子


1週間ぶりの執筆になります。おひさしぶりです。

先週アップされた駒田大輔さんの稽古場ブログのひどさについては
わたしからお詫び申し上げたいと思います。
駒田さんはルックスはわるくないと思うのですが、
あのように多少というかかなり残念なところがあります。
ルックスを無駄遣いしつづけて三十数年。
このまま駒田さんは残念なおじいさんになるのでしょうか。興味深いです。
関係ないですが、↑この行の入力中に「駒田さん」を途中まで打って
間違えて変換ボタンを押してしまい、「駒ダサん」になりました。
誤変換とはときに真実をつきつけるものなのかもしれません。

さて、先週はわれわれの稽古場で
なにがおこなわれているかについて書きました。
そしてその作業に入るまでにさまざまな下準備が必要、
などと含みを持たせた書き方をしてしまいましたが、
この下準備もとくに何の変哲もありません。

・脚本を繰り返し読む。
・気になったことはメモする。
・必要そうであれば資料をあたる。
・脚本のどこに興味が持てるか探る。
・俳優と脚本について話す。
・メモがたまってきたらときどき読み返す。

今回はおおむねこんなかんじでしたし、
現在もつづけています。

このなかでも、「脚本のどこに興味が持てるか探る。」のところは、
とりわけ苦労するところかもしれません。
「わー、おもしろーい!」と感じるだけならできますが、
そういう「なんかいい感じ」を形にしていくには
俳優やスタッフとの共同作業のためにも
どうしてもことばにすることが必要になるので、
なにがどう良い感じなのか、何に自分がひっかかっているのか、
時間をかけて探っていきます。

そのために、メモをとることがなかなか役に立ちます。
殴り書きのようなメモを読み返してみると
ぱっと見違うことを書いているようでいて、
よくよく見ると繰り返し同じことを書いていたりするので
ああ、私ってこういうことに興味があるのね、
と、なんとなくまとまっていくのです。

今回、考えがまとまるかどうかはまだまだわかりませんが、
ひきつづきこのような作業を続けていきます。

以上、演出ノート?でした。

2012年6月7日木曜日

6月5日(火)柏木チーム


今日は柏木チームから、崎田ゆかりさんの稽古場ブログです。
崎田さんは今年1月にワークショップオーディションを開催した際に、
柏木チームの出演者として選出されました。

まだ大学生の、フレッシュな役者さんです。
稽古でも日々成長されている様です。

---------------------

6月5日(火)
天気:くもり。少し肌寒い。
担当:崎田ゆかり


柏木さんは本当にじっくり時間をかけてつくっていきます。
ひとつひとつのセリフ、動きに必ず「なぜ?」がついてきます。
役者が(特に私が)わかっていない風でいると、自分のエピソードを例にして
とっても詳しく説明してくれます。
本当に丁寧に、少し恥ずかしそうに。
同じシーンを何度やっても果てしなく課題が出てくる。
同じセリフでもいくつでも成立する出し方がある。
ひとつクリアしたら、また別のものを求められる。
なんとかしてそれに応えたい。
言っていること、理解していますよ!と伝えたい。
でも、今日は演出意図にとらわれ過ぎて、自分しか見えなくなっていたみたい…。

大切なのは、
相手を見るということ。
状況を身体で感じるということ。

当たり前ですよね。
普段も相手を見て、その反応を見てこっちの出方を決めていく訳ですから、
それを無視してしまったら会話が成り立つ訳がありません。
少なくともとても一方的なものになってしまいます。
自分の気持ちだけを追うんじゃなくて、
こう言ったら相手はどういう気持ちになったんだろう?と考えて、
次の自分の言葉、行動につなげていく…というか、つながっていく、
ということが大事なのだなと思いました。
そして私たちは周りの環境にとても影響を受けている。無意識のうちにも。
たくさんの種類の声を状況に応じて使い分けている。
だからそれの選択を間違えると、というか、状況を感じていないと、
とても不自然な会話に聞こえてしまいます。
反省です。


私はこの稽古場で、そうか!と思ったことがいくつかあります。
まずひとつは、 言い方を決めないということ。
ここはこういう気持ちだから、こういう言い方になって…とつくっていくのが
正しい…というかそういうやり方でほとんど今までやってきた気がします。
なんというか、ぶれないことがいいことだと思っていたし、
それが私のいいところなのかな?とか勝手に思っていました。
別に柏木さんはぶれることがいいことだと言っているわけではありませんが、
状況・設定が決めてくれるでしょ、というのです。
気持ちはこういう気持ちで、あとの出し方はお任せします、といいます。
内容は決めるけど、形は決めません。
なるほど!と思いました。

そして、もうひとつはそれの延長でもあるのかもしれませんが、
うそをついてはいけないということ。
偽物のお芝居は、そうであることが観ている人にすぐにわかってしまいます。
だから、自分がそこに居て、そこで感じたことを大切に表現していくこと、
それが大事なんだと思いました。
私ももっとそこに敏感になりたいと思います。


毎日学ぶことがいっぱいです。
でももらってばかりではなく、自分からも何か持っていけるようにならなくては…。
そもそもそういう稽古場であることが前提なので。
とにかく、頑張ります。

2012年6月5日火曜日

柏木演出ノート2

6月4日(月)天気:快晴 担当:柏木俊彦


頭が凝り固まっている。
演出とは?演じるとは?
日々考え変わるし、よく行ったり来たりもする。


そんな時、頭の中の木野花がよく言う。

頭で考えてるうちはダメなんだよ~」
じゃあ、どうすれば?

「とにかくやるんだよ!」
元も子もない。

「百万回読んだの?やったの?!」
そんなできないし。

「下手って自覚して。才能ないんだから、ひたすら努力するんだよ~」
はい。

「とにかくアイディア出して、死ぬ気でやって!」
お~

「一人だけ頑張ってると思ってケチ臭くなってんじゃないよ!」
へい。

「一人じゃできない時、ちゃんと助けてっていうんだよ」
はい。


演劇じゃない、生き方について。
でも迷った時に詰まった時に思い出す。
遠くでもメガネ光らせているな~

6月3日(日)筒井チーム



今日の筒井チームの担当は渡辺綾子さんです。


今回の公演の稽古では、新しく気付くことがあるようです。


----------------------------------
6月3日(日) 天気:涼しく晴れ
担当:渡辺綾子


はじめまして。
筒井チームに出演させていただく、渡辺綾子です。イッパイアンテナという劇団に所属しています。
何回かこの稽古場ブログ、書くことになると思いますのでどうぞよろしくお願いします。


こちらのチームは5月15日から稽古が始まっているので、もう随分経ちますね。気づけば本番まで1ヶ月を切っています。


今回の稽古場で新鮮なことが3つ。


・わたしと同じ役をやる方がいるということ。
これは新鮮というかもう怖いです。
最近柏木さんチームの稽古も始まったようで、よく稽古場が隣になるんですが、そわそわしますねやっぱり。
でもこれは「ガラスの仮面」の紅天女じゃないから。戦いじゃないから。
単純に出来上がりを観るのが楽しみでもあります。


・脚本でわからないところがあると、演出の筒井さんも込みでみんなでどういうことか、どうしたらいいか、を話し合うこと。


この作業、お芝居するなら当たり前じゃないの?と思われるかもしれませんが、わたしにはけっこう新鮮です。


私の所属劇団は脚本家と演出家が同一人物ですので、あんまりこういう場は生まれません。
役者同士で話し合うことはもちろんありますが、ひとつの正解を持ってる人が存在しますからね。


・今回ご一緒させていただく新田あけみさんのこと。
この方、わたしのお母さん役なのですが、実際にわたしのお母さんぐらいの年齢(だと思う)ので、なんだかもう全部お母さんに言われてるんじゃないかなって。
2人のシーンがあるんですが、今日の稽古中ちょっと本当に泣きそうになりました。これは内緒です。
今のところ私のお気に入りシーン。




以上。
新鮮さを忘れず、好い加減に身体に馴染ませていかねばと思います。




そうだ、最後にひとつ。
昨日1日遅れで投稿した、同じ筒井チームの駒田大輔さんのブログの内容に関してですが、事実確認をしたところ、全部ウソだそうです。
私はパンチラなどしておりません。
本当に失礼な人です。

2012年6月2日土曜日

6月2日(土)筒井チーム


筒井チームは、今日はまる1日稽古でした。
蒸し暑い稽古場で、少し鼻声で体調が悪そうな駒田さんでしたが
稽古場ブログを書いてくださいました。


鼻声の原因は、もしや昨夜のお酒のせいではないかしら・・・と内心思うのでした。


-------------------------------------------


6月2日(土) 天気:くもり
担当:駒田大輔


筒井チームに出演する駒田大輔と申します。よろしくお願いいたします。


本来、僕はきのう稽古場ブログを書くことになっていたのですが、1日遅れてしまいました。
申し訳ありません。
きのう書けなかった理由は、稽古終了後、酒を飲みに行っていたからです。
心よりお詫び申し上げます。


いやでも、飲みに行ったのは僕だけじゃないんですよ。
同じく筒井チームに出演する藤原大介さんが今週ようやく稽古に合流できたので、晴れて全員が揃ったところでじゃあ打ち入りでも、ということになったのです。
不可抗力であります。


稽古場近くの居酒屋で、日付けが変わるまでうだらうだらとしゃべっておりました。
酒がすすむにつれて、今回の台本や演出に関わるかなりつっこんだ議論もなされていたような気がするのですが(おもに筒井さんと藤原さんとで)、1日たって覚えているのは、
「演助の岩田由紀(夫あり)はクールキャッツ高杉のお腹をペロペロしたい」
という誰も知りたくない告白だけです。
皆様の観劇のヒントとなるような有益な情報を何ひとつお伝えできず、遺憾に思うしだいです。


いやーしかし、書くことがないですね。
稽古について何かしらと言われても、まったく内容が思いつきません。
毎日のように稽古場に通って、それなりの汗をかいているはずなのですが、いざ何をやったかを思い出そうとすると、頭がぼんやりして渡辺綾子のパンチラが浮かぶばかりで…。
おおそうだ。
筒井チームの稽古場では、渡辺綾子が不必要にパンチラを見せます。
今のところ誰も指摘する者はおりません。
僕はネンネには興味がないのでどうでもいいのですが、この調子でいけば、ひょっとすると本番で皆さんにもおすそ分けできるかもしれません。
どうぞ筒井チームの『建築家M』をお楽しみに!


さて、それでは集客用ブログとしての役目も無事に果たしたようなので、このへんで失礼いたします。
明日の稽古が怖いです。